第9回

メンタルの整え方:英語ヒエラルキー

海外や逆境で役立つ、英語との向き合い方
到達目標:英語力への劣等感・ヒエラルキー構造を理解し、自分なりのメンタルケアを考えられる

今日の流れ(100分)

1
導入+前回(4カ国の型)の振り返り
5分
5
③ミニ講座:情意要因・不安と第二言語習得
12分
2
A ミニ講義:英語ヒエラルキーと情意フィルター
12分
6
④生成AI:失敗の捉え直しをAIと
20分
3
B 個人ワーク:不安・劣等感を書き出す
10分
7
振り返り+次回予告
10分
4
C グループ:対処法・捉え直しを出し合う
13分

A 英語ヒエラルキーと情意フィルター

英語ヒエラルキー
英語力(発音・流暢さ・留学経験)で生まれる見えない序列。学生自身が「純ジャパと帰国生の格差」を実感していた
帰国子女/留学経験
「あの人たちは堂々としててまぶしい」―承認の崩壊とネイティブらしさへの圧力
情意フィルター仮説
不安や緊張が高いと、分かっていても言葉が出てこない(クラッシェン)
もともと英語に自信があった学生でも、ヒエラルキーに埋め込まれ自信を失う ― 不安は能力不足でなく〈比較の構造〉が生む
出典:佐々木・福島『英語ヒエラルキー』p80-81(学生の語り)/情意フィルター=クラッシェンの情意フィルター仮説

B 個人ワーク:不安・劣等感を書き出す

匿名OK・発表は任意。静かに、自分のペースで書いてみよう
1
英語を話す/使う場面で、一番緊張・不安を感じるのはどんな時?
2
その不安は「自分の実力」から来ている?それとも「誰かと比べて」から来ている?
記入は匿名可。発表は強制しない(心理的安全性を優先)

C グループ:対処法・捉え直しを出し合う

発表したい人だけ共有。「その不安、どう乗り越えてる?」
失敗談を笑い合える空気づくりを大切に
捉え直しのヒント:「憧れられる側(帰国子女)だって大変」― ヒエラルキーは上の人も苦しめる(佐々木・福島 p186)
まとめメッセージ
「完璧な英語」より「伝わる英語」「続けられる英語」を目指す

③ ミニ講座:情意要因・不安と第二言語習得

情意フィルター仮説(クラッシェン 1985)

不安・緊張が高いほど、理解可能なインプットが習得に結びつきにくくなる。だから「不安を下げる」=安心できる環境/小さな成功体験/完璧主義を手放す

最新(2025)=二次元で考える

近年は「楽しさ(FLE)を上げる」も重視。楽しさと不安は別物で共存でき、楽しさは注意と入力を高める(=情意フィルターの逆)。守り+攻めの両輪へ

ヒエラルキーは構造の問題

英語ヒエラルキーは個人の問題であると同時に、教育環境が作り出す構造の問題(佐々木・福島)

傷は母語にまで及ぶ

英語で学んだEMI卒業生が、こんどは「日本語(敬語・語彙)」に不安に。使う頻度も評価も減り参照点が欠ける=構造が生む(p125/p217)

出典:佐々木・福島『英語ヒエラルキー』p80-81/p125/p186/p217/情意フィルター=クラッシェン・白井/楽しさ(FLE)=Dewaele & MacIntyre 2014-2025
④ 生成AIミニ実践(20分)

AIに「失敗の捉え直し」を手伝わせる

使うAI:Google Gemini(無料・大学アカウントでOK)
配布プロンプト(Bワーク①の内容を貼り付けて使用)
私は英語学習者です。私が英語を使うときに不安を感じる場面は「(Bワーク①の内容をここに貼り付け)」です。この不安を前向きに捉え直す(リフレーミングする)言葉を3パターン、優しいトーンで提案してください。
3パターンを読み、一番しっくり来た1つをワークシートに書き写す。AIの提案が的外れでも気にしない。個人情報は入れない
🔧 制作の技 8/9「トーンの指定」 ― 「優しいトーンで」=使う人の気持ちに合わせて言葉を注文する。アプリの文言・使い心地の設計そのもの

振り返り と 次回予告

今日のリアクションペーパー

AIのリフレーミング、しっくり来た?
自分なりの言葉に直すとしたら?
次回 第10回

生成AI活用法
(転換点)

ここから後半、アプリ制作への準備が本格化します。

完璧じゃなくていい。
伝わればいい。

続けられる英語が、一番強い。
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